はじめに

運動は、肥満を予防したり、筋力や関節可動域を維持したり、骨粗鬆症を予防するなど現在の健康状態を維持する目的に行われます.さらに、病気治療の一環として行うときには、運動療法といいます.糖尿病や高脂血症などで代謝改善の目的で行うものと、リウマチや変形性関節症などで低下した運動機能を改善したり、低下を予防するために行うものとに分けられます.

 

運動の種類

必要な酸素を充分取り込みながら、大きな筋肉をゆっくり動かす軽い運動<有酸素運動>と息をこらえて踏ん張るような運動<無酸素運動>とに分けられます.

有酸素運動 心肺機能の向上、体脂肪の減少、糖尿病や高脂血症などの代謝疾患を改善するのに向いています.
散歩、ジョギング、サイクリング、水泳、・・・
無酸素運動 筋肉、骨カルシウムの増加、筋力増強に役立ちます.リウマチ、変形性関節症などで低下した筋力や関節可動域の改善、維持をするのに向いています.
等尺運動、筋力トレーニング、ストレッチ運動

勝ち負けを競う運動(ゲート・ボールなど)は精神的なストレスを増大させるため、健康上は好ましくない運動になります.

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適当な運動の強さと量は?

運動療法では、強さや量の制限があります.勝負するための筋力をつける目的ではありませんから、強ければ良いというわけではありません.ベースに病気があるので、やりすぎると病気を悪化させたり、関節や筋肉を痛めたり、心臓の障害を新たに生んだりする結果となるので注意が必要です.


一般的には、最大運動能力の半分くらいの強さと量が適当と言われています.下の式は、脈拍数で運動の強さを知る目安です.運動の最中に脈拍を測りこの値以下になっていればほぼ安全です.

 年齢による運動時最大脈拍数計算フォーム

脈拍を目安
にする方法

運動中の1分間の最大脈拍数=138−(年齢÷2)

【例】 60歳の方なら、138から年齢の半分(30)を引いて、108になります.従って、運動中の1分間の脈拍が、およそ100〜110の範囲に納まるくらいの運動が適当といえます.病気の程度によっても加減が必要です.自分で「きつい」と感じる時はペースを落とします.

1日に30分(10分ずつ3回に分けても良い)程度の量を、出来れば毎日続けるのが理想的です.約45分の 散歩では80カロリーが消費 されます.この量は、およそ10gの体脂肪に相当します.

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糖尿病・高脂血症

糖尿病高脂血症では、体での糖や脂肪の代謝を改善するために、散歩などの有酸素運動が適しています.

大きな筋肉をゆっくり動かすことにより筋肉中で血糖を消費し血糖値が下がります.運動によりインスリン・ホルモンの働きが良くなると言われています.ただし、糖尿病治療中の人は、朝食前だと低血糖発作が誘発される事があります.食後に開始して、運動で消費するカロリー数を計算に入れ低血糖発作を起こさない配慮が必要です.また、低血糖発作に対する準備をして出かける必要があります.

高脂血症では、運動により血液中の善玉コレステロール値が増し、中性脂肪値が下がる事により、動脈硬化の予防になります.

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変形性関節症・リウマチ・骨粗鬆症

リウマチ、変形性関節症などで低下した筋力や関節可動域の改善を目的とするのには等尺運動やストレッチ運動などの無酸素運動が適しています.

病気のため、すでに関節が壊れているわけですから、病変部に負担をかければ病気は悪化します. 一部の人たちには”運動すると病気が治る”という軽薄な誤解があります.

肥満や糖尿病、高脂血症の合併がある時には、水中歩行などで体重の負荷を軽くした有酸素運動を組み合わせると良いと思います.

骨粗鬆症の進展を遅らせるためには、ある程度の体重負荷が必要といわれています.自分に適した運動を見つけるためには医者とよく相談して決めましょう.

いずれにしても、過度の運動は病気の悪化を招いたり、最悪の場合は疲労骨折などの事故に結びつくこともあるので注意が必要です.

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膝関節の等尺運動

いすに腰掛けた状態で、膝を伸ばし、膝から下が水平になるようにして約5秒間静止させます.静止している間、筋肉の長さが変わらずに、力が加わっている状態を保つのが等尺運動です.

この動作を片膝ずつ各10回、朝昼夜の1日3セット行います.なれてきたら、静止する時間を延ばしたり、回数を増やしたり、あるいは足首にタオルを載せたりして行うなど負荷を少しずつ増やします.

足を上げ降ろしする時間も、5秒くらいかけてゆっくり行うと、より効果が上がります.

膝を伸ばした状態でしばらく静止します.
この時、大腿の筋肉に力が加わっているのが等尺運動です.

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その他の注意

早朝・夜間や土日祭日は緊急時の対応が平日の日中ほど充分にはできません.散歩やジョギング、サイクリングなどでは、実施時間を考えたり、携帯電話や救急病院の下調べ等、緊急時の連絡手段を準備しておく必要があります.

高脂血症では、運動により血液中の善玉コレステロール値が増し、中性脂肪値が下がる事により、動脈硬化の予防になります.

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