はじめに#

ここでは、主に成人に発症する2型糖尿病のことを記載しました.したがって、若年性糖尿病の方には当てはまらないこともあります。    

読んで字の如く尿の中に糖が混じるのが糖尿病です.でも,それだけの事ではなく,命にもかかわるような重大な変化が体の中に起っているのが糖尿病です.この資料を読んで糖尿病を正しく理解してください.

    どんな人がなりやすいのか 
  糖尿病の判定基準・糖負荷試験
 
境界型 (かくれ糖尿病)と診断されたら

血糖の調節

食べた物は胃で消化された後,腸から血液の中に吸収されます.これにより,血液中の糖分(血糖)が上昇します.

血糖が上昇してくると,すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます.このホルモンは,血液中の糖分 が細胞の中に移動する時に、細胞の入り口を開ける役目をしています.

糖は細胞内に移動し、エネルギーの元として消費されます.一方、過剰な糖はグリコーゲンに変化して、肝臓や筋肉に貯蔵されます.空腹時に糖が必要な時、再び糖に変化して利用されます.

こうして常に、血液中の糖の値(血糖値)は、80〜160mg/dl位の間になるよう自然に調節されています.

 

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どうして血糖が高くなる

糖尿病の患者さんでは,血糖を調節するインスリン・ホルモンの量が不足していたり、正常に働かない状態に陥っています.このために,血液中の糖分は細胞の中でうまく利用されないのです.その結果,血糖値が160mg/dlを越えてしまいます.

ふつう血糖値が170mgを越えると,血液中の糖は腎臓から尿の中に漏れ出るようになります。見た目には、尿の中に糖が出てくるのが糖尿病です.でも,その原因はインスリンという血糖を調節するホルモンが相対的に不足しているために起きている病的な状態なのです.

 

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なぜ起こるのか

糖尿病の原因には次のようなことが考えられています.

ひとつは遺伝的な素因です.両親が糖尿病であったり,兄弟に糖尿病がある人は,遺伝的な素因を持っているので糖尿病になる可能性があります.特殊な糖尿病(若年性糖尿病;IDDM)ではある種の遺伝的素因を持った人が特定のウイルスに感染すると糖尿病になることもわかっています.

成人になってから発病する人の原因は、多くが肥満です.「食べ過ぎ」という生活習慣のために肥満になり、インスリン・ホルモンが相対的に不足してしまい糖尿病になってしまうのです.別のタイプの人では、インスリンが作用する場所の働きが悪くて、インスリンがあっても効き目が充分でないこともあります.

   肥満と生活習慣病

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症状がないのが普通

軽い糖尿病ではほとんど自覚症状がないのが普通です.だからといって治療しないで放置して良いというわけではありません.病気が見つかる機会は健康診断などで尿の中に糖がでている場合が多いのです.

もっと軽い状態の人では尿中に糖が出ない人もいるのです(かくれ糖尿病).ある程度進むとのどが乾き,尿が増え,体重が減り,疲れやすくなるいといった症状が出てきます.これを放置していると目や神経・腎臓の傷害が起きます.これを合併症と言います.

境界型 (かくれ糖尿病)と診断されたら

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合 併 症

特に気をつけなくてはいけないものとして3つの大きな合併症があります(3大合併症).いずれも高い血糖のために,細かい血管の内壁が壊されて起こる傷害です(微小血管病変).インポテンツはあまりに有名ですがいわれるほど多くはありません.

  国際勃起機能スコア

網 膜 症


目の奥でちょうど物が映るところ(眼底)を走っている細い血管がつまったり,そこから血液が漏れたり(眼底出血)します.その結果,視力が低下したり、最悪の場合には失明したりする事もあります.従って,定期的に眼科の検査を受ける必要があります.

腎  症


腎臓という尿を作る臓器の血管が傷害されるためにいろいろな症状が起こります.高血圧の原因となったり尿をうまく作ることができなくなり蛋白尿やむくみが出るようになったりします.人工透析を受けるような事になる人もいます.

 末梢神経障害


手足の神経に栄養を送る細かい血管が傷害されるためにしびれ感や痛みが出るようになります.逆に痛みや熱さを感じにくくなるために強く足をついて骨折したり,熱い風呂に入ってヤケドを負ったりする事もあります.内臓の神経を侵されるとしつこい便秘や下痢になったり,動悸がでたりする事もあります.

このような恐い合併症を防ぐためには,できるだけ正常な人と同じ血糖値が保たれるように努力する以外方法はありません.

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正常な人と同じ血糖値を保つ

現在のところ,糖尿病を完全に治す薬はありません.しかし,正しい治療法を続ければ,治ったと同じ状態を保つことができます.つまり,血糖値をいつも正常の人と同じようすることが治療の本質と言うわけです.

その基本は,食事療法と運動療法ですが,これだけでうまく行かないときに薬が必要になります.食事療法と運動療法がうまく行っているかどうか知るのには,定期的に通院して検査を受け,血糖値等を測定する必要があります(モニタリング).この結果によって治療方針を決定します.勘だけで病気の状態を知るわけには行きません.主な検査値には次のようなものがあります.

血糖値

血糖は時事刻々変化しています.  なるべく頻繁に測定する必要があります.ある時刻に採血して値がよいからといって、いつも良いというわけではありません.
インスリン注射の治療をしている患者さんのためには、いつでも簡単に自分の血糖値を測定(自己血糖測定・セルフモニタリング;SMBG)できる機械もあります.

Hb・A1c

(ヘモグロビン・
エーワン ・シー)

赤血球に含まれ酸素を運ぶヘモグロビンに糖が結合したものの主成分がです. 過去1ー3カ月の平均血糖値を反映しており、長期間の血糖コントロールの指標として用いられます.
この値の基準値は 6.2%(NGSP*)以下です.この値が 6.8%以下となるように厳格な血糖のコントロール を行うと、糖尿病性網膜症の発生率が5年間で8%以下になると報告されています(熊本スタディー).HbA1c が1%上昇する毎に網膜症の合併率が2倍増えると言われます.

 コントロールの目標値

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全身管理

糖尿病は全身の臓器の障害を併発する病気です.しかし,正しい管理を続ける事により,合併症の発生を予防する事ができます.たとえば,目の検査(眼底検査)等は定期的に受ける必要があります.また,尿糖だけでなく,微量の蛋白尿や腎機能,血圧等のチェックも定期的に受けるようにしなければいけません.

自分自身でも,入浴の度に足の指先の循環が悪くなっていないか,指の間に細菌やカビ(水虫等)の感染はないかよく調べ清潔に保つように心がけましょう.足の感覚が鈍くなっていることもありますから,風呂の温度を良く確かめるとか,高いところから飛び降りないようにするなどの注意も必要です.

 

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少ないホルモンでも足りるように

病気の原因はインスリン・ホルモンの相対的な不足です.この不足に対処する事が治療の基本です.肥満があると体の容積が大きすぎるためにインスリンが不足し,その働きも弱くなっています.体を小さくしてインスリンの不足に対応する必要があります.食後の運動は、インスリンホルモンの働きをよくするといわれています.お薬の力を借りることが必要な場合もあります.ホルモンの量を増やすお薬や、少ないホルモンでもその効き目をよくするお薬、腸の中ででんぷんの消化を遅くして急激な血糖の上昇を抑える薬等があります.

 

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標準体重にする

 体を小さくするということは,身長に見合った体重にするという事です.これを標準体重といい下の式で計算できます.軽い糖尿病では標準体重にするだけで充分良くなります.ここで計算した体重より多い人は,なるべくこれに近づける努力をまず始める必要があります.

肥満を治すためには食事量を減らし,運動量を増やす以外に方法はありません.

身長から割り出す標準体重の計算法


標準体重=身長(m)×身長(m)×22

[例]身長156cmのひとの標準体重は
1.56(m)
×1.56(m)×22 = 53.5(kg)

(BMI:ボディ-・マス・インデックス法)

 

 標準体重の算定

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一日三回食

食後は誰でも血糖が上昇します.でも,糖尿病の状態ではインスリンの分泌量が足りないので,血糖が異常に上昇します.食後の血糖を上げすぎないために1回の食事量を減らす必要があります.

朝食を食べないとか,一食抜いているから大丈夫と安心している方がいますが,これはあまり勧められる事ではありません.なぜなら,1日分を2回に分けて食べるわけですから,1回量は3回に分けて食べる時より多くなってしまいます.一時に食べる量が多ければ,その後に上昇する血糖値もその分高くなってしまうわけです.1回の量を減らして,きちんと3回に分けて食べた方が食後の血糖値は上がりにくくなります.

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糖尿病の運動療法

食後30分目頃から血糖値の上昇がはじまります.これにあわせて適度な運動をすることにより血糖値の上昇を抑えることができると言われています.散歩などで筋肉を動かすことにより,筋肉内への糖の取り込みが増え(インスリンの働きが良くなる),糖を消費する(血糖値が下がる)からです.

ただし,運動だけで多くの摂取カロリ−が消費できると誤解しないでください. ご飯・茶碗8分目の半分(1単位)に相当する運動量は,散歩で45分,駆け足や水泳なら15分位 です.糖尿病の患者さんは食休みではなく,食後の散歩が最近特に勧められています.

    運動療法

 80カロリー(1単位)に相当する運動量、食事量の関係
 

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適当な食事量とは

標準体重を基準にして食事量を決めます.これは,その患者さんが一生守らなければならない食事の量です.この量を一定にしておかないと,薬で血糖を調節する場合に薬の量を決められなくなってしまいます.

糖尿病と診断されたら,まず食事療法の勉強をしっかりする必要があります.どのくらい食べたら良いのかは,その人の運動量(仕事量)と関係しますから,一般的には下のよう計算して決めます.

体重1kg当たり1日に必要なカロリ−数
軽作業の人
(机に向かう程度の仕事量)
25カロリー/kg
中程度の作業量の人
(軽く体を動かす仕事)
30カロリー/kg
重労働の人
(1日汗を流して働く)
35カロリー/kg

標準体重を48kgと計算した人で,1日体を軽く動かす仕事をしているなら,これに30を掛けて1440カロリ−と計算できます.この量を守っていれば,血糖も下がりはじめ,時間がかかっても,自然に標準体重に近づくはずです.もし体重が減らなければ計算以上に食べているという事になります.

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食品交換表の見方

糖尿病食事療法のための食品交換表(6版)

自分の標準体重と1日の食事量(必要カロリー数)の計算はできたでしょうか? ところで,いったいどのくらい食べたらそのカロリー数になるのか想像もつかないのではと思います.

食品交換表を使えばそれができるようになります.この本の中ではもうカロリ−という言葉を使いません.単位という数字に置き換えます.つまり,80カロリ−を1単位として食事量を計算するのです.従って,1440カロリ−はこれを80で割って約18単位となります.これが計算できたらもうカロリ−という言葉は忘れても大丈夫です.

1日の食事量(カロリ−)÷80=単位数
 [例] 1,440 カロリ- ÷ 80 = 18 単位 

 これだけの単位数の食事を取れば、それがあなたの標準体重に見合った食事量になります。従って、1回の食事量はその3分の1の量という事です。18単位の人では1食が平均 6単位になるわけです。

食べてはいけない物は何もありません.でんぷん、蛋白、脂肪、野菜、果物等を片寄りなく摂取することが大切です. 甘い物だけを食べなければ良いと言うように誤解されていた方はさっそく考え方を改めて下さい。食べる量が問題なのです。

 

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ノ−トをつけて

まず、はじめはノ−トにできるだけ詳しく食事の内容と量を記録して下さい。次に、本を見て単位数の計算をして下さい。そんなにたくさんの材料を使うわけではありませんから一週間程も続けると本を見なくてもだいたいの計算ができるようになるはずです。

そこまで頑張ればしめたものです。億劫がらずに、まずノ−トを付け始めて下さい。実際に当院の通院患者さん(男性)がつけたノートのコピーがありますから参考にして下さい「18単位の見本」)。糖尿病の患者さんは、食事療法とは一生つきあわなければならないので、しっかり身につけて下さい。

 

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単位数の多い食品

栄養価の高い食品ばかりを選んでしまうとなかなか満腹感が得られません。そのためにどうしても食べ過ぎてしまう結果になります。ですから、このような食品をできるだけ少なくするのが食事療法を長続きさせるコツです。

特に外食は単位数が多くほとんどが7〜8単位以上あります。フライやてんぷらなど油を使ったおかづは小量でも単位数が多くアルコール飲料 、缶ジュースなどの清涼飲料水もなどもおかず1品目分位になるものがあり注意が必要です。

調理に使う油類には特に注意が必要です。炒め物やドレッシング、マヨネーズなどに含まれる油無視 することはできません。思わぬところで意外な栄養を取っている事が多いので必ず1度はノ−トを付けて確かめておく必要があります。

 外食の単位数
アルコール や清涼飲料の単位数
調  味 料・油 類

 

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単位数の少ない食品

【表6:野菜、海草、きのこなど】には、ほとんど計算に入れなくてもよいくらい単位数の少ない食品 が掲載されています.大根、人参、キュウリ、ねぎ、葉っぱ類の野菜、海藻、コンニャク等です。これらをうまく使っておかずの量を増やす事ができますが、 味付けに使う調味料(砂糖や味噌)、サラダ油やそれらが入っている食品 の計算を慎重に行う配慮も必要です。

同じ野菜でもいも類、かぼちゃ、豆類は【表1:穀物、いも類、豆類】に分類されますから単位数が多くなります。水やお茶はまったく問題ありません。よく水を飲んでも肥ってしまうという方がいますが水で肥る事はありません。体に水が貯まった状態はむくみと呼びます。腎臓の働きが正常なら飲んだ水の分だけ尿となって出ているので心配はいりません。でも、砂糖の入った飲物はすべて単位数の計算に入れる必要がありますので注意して下さい .

調  味 料・油 類

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アルコ−ルは

アルコ−ルは、熱源となって他の栄養素の消費を抑えるため、結構高い単位数があります. アルコール飲料の単位数 【付録】のペ−ジに記載されています.お酒で単位数を上げてしまうとご飯やおかずを食べる分がなくなってしまいます.お酒のみの方はそれでも良いと考えてしまうかも知れませんがお酒だけでは生きて行けません.

でんぷん、蛋白質、脂肪、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取しなければ健康な体は保てません.アルコ−ル自身も量が多すぎるとすい臓を悪くし糖尿病を悪化させる原因になります.許される量は1日2単位までとされています. 缶ビ−ルなら約1本分 (400ml)です.この位の量で我慢できない人は、将来の事を考えて、一気に禁酒した方がよいと言われています.

 

アルコール や清涼飲料の単位数

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薬剤による治療

飲んだり注射したりする薬の量は簡単には決められません.患者さんひとりひとり体の大きさも食べる量も,さらに自分の体の中で自然に作られているインスリンの量も,注射薬や経口薬の効き具合もすべて個人差あります.

少しづつ薬の量を増やして血糖の下がり具合を測りながらでないと正しい薬の量が決められません.食事療法だけの時に比べて,さらに頻回に血糖のチックが必要になります(自己血糖測定).

 

1:糖の吸収を遅らせる 薬

食物中の炭水化物(でんぷん質)は消化されて糖に変わり吸収されると、そのまま血糖を上げることになります.この消化、吸収を遅くする薬により 、軽症の糖尿病がうまくコントロールできるようになりました.経口糖尿病薬と併用しなければ低血糖発作を起こす危険も少ないのですが,おなかのガスが増えるという欠点もあります .

 α-グルコシダーゼ阻害剤ボグリボース 、アカルボース

:ホルモンの作用を補う

(経口剤)

正しい食事量を守っても血糖が正常の人より高くなってしまう時には:

少ないインスリンの分泌を多く させる薬 :
SU剤;
グリペンクラミド  グリメピリド
速効型インスリン分泌促進薬;
ナテグリ ニドミチグリニド
インクレチン製剤;DPP−4阻害剤( グラクティブ™、ジャヌビア™)                       

少ないインスリンでもその効き目を良くする薬:
インスリン抵抗性改善薬;ピオグリタゾン
ビグアナイド薬;
メトホルミン

:ホルモンの作用を補う

(注射薬)

GLP-1受容体作動薬:食事の刺激で小腸から分泌さるインクレチン・ホルモンは、膵臓からの血糖を下げるインスリンの分泌を促進し、血糖を上げるグルカゴンの分泌を抑える働きがあります。そのひとつであるGLP-1は、体内ではDPP4により速やかに分解されてしまいます。GLP-1の作用を強めるためにGLP-1受容体作動薬が作られ、治療に使われています。下痢、嘔吐が出やすいが、低血糖は起こさない。体重増加を抑える働きもあります。

ビクト−ザ皮下注18mg(一般名:リラグルチド)一日一回0.3~0.9mgを皮下注
ビデュリオン
2mg(一般名:エキセナチド)、1回2mg/1回 皮下注

バイエッタ5-10μgペン(一般名:エキセナチド)1日5-10μ×2回 皮下注
リキスミア20μg(一般名:リキシセナチド)一日一回 皮下注
トルリシティ
0.75mg(一般名:デュラグルチド)週1回 皮下注

:足りないホルモンを補う

(インスリン注射)


経口剤でコントロ−ルできない人ではインスリンの注射が必要になります.以前は,ブタやウシのインスリンが使われていましたが,現在では人が体の中で作っているのとまったく同じ物が合成されており、それを注射します.

いずれも、薬が効きすぎると低血糖発作という危険な副作用が起こるので、厳重な注射量、食事量および血糖の管理が必要になります.

==インスリン注射の方法==

==自己血糖測定器の使用方法==
グルテストの使 い方

(当院には、貸し出し用の器械が用意してありますので、ご希望の方は申し出て下さい)

5:尿中に糖を排泄させて血統を下げる薬

腎臓で尿糖の再吸収を行うSGTL2の作用を阻害する薬剤です。肥満のある2型糖尿病で尿糖の排泄を増やすことによって血糖値を低下させる薬剤です。低血糖を起こしにくく、体重減少効果、血圧、高脂血症の改善効果もあるといわれています。多尿による脱水症や尿路感染症のリスクが高まる欠点もあります。

スーグラ25,50mg(イブラグリフロジン)など

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糖尿病コントロールの目標値

ヘモグロビンA1c は、採血前およそ1〜3ヶ月間の血糖値の平均を知る目安になる検査です.正常値は、6.3%(NGSP)*(5.9% (JDS))以下です.この値が 6.8%以下になるように血糖コントロールを行うと、糖尿病性網膜症の合併は5年間で8%以下になると報告されています(熊本スタディー). ヘモグロビンA1c が”1%”上昇する毎に網膜症の合併率が2倍に増えると言われます.

ヘモグロビンA1cは、目の網膜や腎臓等の微小血管の病変と関係があり、食後2時間値は心臓や脳等の比較的太い血管の病変(心筋梗塞や脳梗塞)と関係があるとも報告されています.合併症の予防には、血圧や脂質代謝 もあわせて良好に保つことが必要です.

食後2時間値を下げるためには

糖尿病コントロールの目標値

  良好 まあまあ 不良
空腹時血糖値
(mg/dl) 
119以下 120〜139 140以上

食後2時間血糖値
(mg/dl)#

169以下 170〜199 200以上
ヘモグロビンA1c (NGSP*・%) 6.8以下 6.9〜8.3 8.4以上

へ上記の値は、日本糖尿病学会;治療ガイド(2010)を参考に当院の患者さん指導用に作成したものです .

少し複雑になりますが、正確な治療のガイドラインは下記をクリックして下さい;
糖尿病学会、治療ガイドライン2010
食後2時間値を下げるためには

 冠動脈疾患のリスク予測   <フラミンガム・スタディー>

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